ドル円、三角保合い上放れで介入高値更新

著者:菊川 弘之
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 また、ロシア・ウクライナ戦争の激化で、欧州通貨が売られやすくなっており、G20財務相中銀総裁会議でのユーロ安牽制の有無にも注意したい。ポンドやユーロ絡みで投機的な値動きが加速した場合、ドルの上値は抑えられやすくなる。

 欧州通貨売りの一因となっている、ロシア・ウクライナ戦争だが、ロシアのラブロフ外相は11日、ウクライナへの侵攻を巡り、米国を含む西側諸国との協議に前向きな姿勢を示している。ラブロフ外相は国営テレビのインタビューに対し、8カ月目に入ったウクライナ侵攻を終結させる方法について米国やトルコなどと協力する意思があると表明。

 米国がG20会合の場で米ロ首脳会談の開催を提案すれば、ロシアは拒否せずに検討すると表明。「ロシアは会談を決して拒否しないと、これまでも繰り返し表明してきた。提案があれば検討する」と述べている。プーチン大統領は13日にトルコのエルドアン大統領と会談する予定で、西側諸国との協議に関するトルコの提案について協議するとみられている。

 中国も共産党大会を無事に終えれば、停戦仲介の動きに出てくる可能性もある。

 米国では、米CNNや、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた「アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘が自動車爆弾の爆発で死亡した事件について、米諜報機関はウクライナ政府の関係者が犯行を承認」に続き6日、親バイデン筆頭のワシントンポストが「FBIからの情報でハンター・バイデンが近々脱税と不法拳銃購入で逮捕」と報じられたのは、バイデン政権が中間選挙前に大きな賭けに出て無謀な動きをするなと言う一部のエスタブリッシュメントの牽制シグナルの可能性もある。

 核の使用や第三次世界大戦を回避するため、ウクライナの一部がロシアに併合された状態で、年内に一時的な停戦になるシナリオにも注意したい。

今後の注目スケジュール

 

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このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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