[Vol.1424] 長期投資は「最高の生涯学習の対象」

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。77.09ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,830.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は12,490元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年04月限は564.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで913.55ドル(前日比7.25ドル縮小)、円建てで3,915円(前日比3円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月17日 18時08分頃 6番限)
7,889円/g
白金 3,974円/g
ゴム 220.9円/kg
とうもろこし 44,280円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「長期投資は『最高の生涯学習の対象』」
前回は、「『偶像』と化して急上昇する株価指数」として、筆者が考える「偶像」と「実態」の推移(S&P500先物とWTI原油先物を参照)について、述べました。

今回は、「長期投資は『最高の生涯学習の対象』」として、筆者が考える長期視点の行動全般(投資含む)に役立つ考え方について、述べます。

前回述べた「グローバル化の行き詰まり」と「市場の偶像化」が発生した過程を考えます。リーマンショック発生(2008年)と、西側が新しいテーマを創造したこと(2010年ごろ)が、大きな要因になっている可能性があります。

これら二つの出来事が重なり「米国を中心とした健全な市場環境の『柱』が不安定化」したことで、「グローバル化の行き詰まり」と「市場の偶像化」が発生したと、筆者は考えています。

新型コロナがパンデミック化し、ウクライナ危機が勃発した今、「グローバル化」は「行き詰まり」から「混沌」に、そして市場は「偶像」から「より偶像」に移行していると、考えられます。

[Vol.1422] 「グローバル化」の長期視点の変化に注目で述べたとおり、1990年前後は「経済」のみをもとに分析できました。しかし今は「より社会」で分析する必要があります。「社会」とは、経済のほか、心理、宗教、人種、文化、各種技術など、広範囲を網羅する言葉です。

これからの相場分析には、経済だけでない、広範囲を網羅した視点が必要となるでしょう。そして、以下のような考え方も必要になると、筆者は考えています。

学生だけでなく社会人も求められている「主体的な行動」です。過去の常識や、わかりやすい・理解しやすいことだけにとらわれず、俯瞰(ふかん)的に物事を考え、冷静に行動をするために(長期投資で成功するために)、欠かせないことだと、筆者は考えます。

[Vol.1419] 今に強烈なスポットライトを当て続けるで述べた、「過去ではなく今を凝視すること」と合わせることで、長期投資が「最高の生涯学習の対象」になると、筆者は信じています。

図:長期視点の行動全般(投資含む)に役立つ考え方
図:長期視点の行動全般(投資含む)に役立つ考え方

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。