[Vol.1533] 穀物価格は長期高止まりへ

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。79.94ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,948.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年09月限は12,205元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年09月限は607.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1003.1ドル(前日比2.40ドル拡大)、円建てで4,570円(前日比24円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月28日 17時32分時点 6番限)
8,771円/g
白金 4,201円/g
ゴム 198.6円/kg
とうもろこし 40,400円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足  単位:セント/ブッシェル
シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「穀物価格は長期高止まりへ」
前回は、「『人類が住まない地球がもう一つ』必要」として、世界三大穀物(トウモロコシ、米、小麦)の収穫面積について、述べました。

今回は、「穀物価格は長期高止まりへ」として、世界三大穀物(トウモロコシ、米、小麦)の価格推移について、述べます。

以下は、世界三大穀物の価格推移です。1960年代から2020年代にかけて、穀物価格は二度、均衡点の大規模な変化(この場合は上昇)が起きました。新興国台頭による需要急拡大や、トウモロコシをバイオ燃料の原料とするとした政策的な需要増加などが、一因とみられます。

この数回で述べた「新興国・途上国」の人口急増期における食文化の発展(先進国化)、および収穫面積の増加の鈍化は将来、三度目の大規模な「均衡点の変化」を生じさせる要因になり得ると、筆者は考えています。

これにより、先進国ではインフレ起因の政治混乱が慢性化したり、新興国・途上国ではインフレ起因の政情不安が頻発したりする可能性があり、注意が必要です。超長期視点の穀物価格の推移に、今後も要注目です。

図:世界三大穀物(トウモロコシ、米、小麦)の価格推移 単位:ドル/トン
図:世界三大穀物(トウモロコシ、米、小麦)の価格推移 単位:ドル/トン

出所:世界銀行にデータをもとに筆者作成

 

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このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。