原油反落。米主要株価指数の反落などで。79.17ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,967.50ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年09月限は11,995元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年09月限は607.3元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1044.9ドル(前日比2.35ドル縮小)、円建てで4,689円(前日比2円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(8月3日 大引け時点 6番限)
金 8,924円/g
白金 4,235円/g
ゴム 197.9円/kg
とうもろこし 40,250円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「原油:産油国の自国保護のための上昇圧力も」
前回は、「小麦:ウクライナ危機起因の供給減少懸念も」として、ウクライナ産穀物の主な輸出経路について、述べました。
今回は、「原油:産油国の自国保護のための上昇圧力も」として、主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格について、述べます。
NYダウが13連騰した際、小麦と同様、原油もNYダウの上昇率を上回りました。米国発の「需要増加観測」と「他通貨建て・同商品に対する割安感醸成」という二つの上昇圧力に加え、主要産国の原油の減産が目立ち、原油の需給バランスが引き締まる思惑が強まったことが、上昇率を大きくしたと考えられます。
足元、サウジアラビアやロシア(世界二位・三位の産油国)が、自主減産を継続することを宣言するなど(7月上旬)、世界全体の原油需給が引き締まる観測が生じています。
また、以下は、IMF(国際通貨基金)が公表している、主要産油国における財政収支が均衡するために必要な原油価格です。サウジアラビアは80ドルを超えていないと、財政収支が均衡しないことが示されています。
財政収支は簡単に言えば、国内のお財布の事情です。国内のお財布の事情が悪化(赤字が拡大)すれば、国内情勢が不安定化する可能性が高まります。国内情勢が不安定化すれば、その国の原油生産量が減少する懸念が生じます。
また、中東産油国における国内情勢の不安定化は、複数の隣接する国に不安が波及したり、米国や欧州はもちろん、消費国であるアジア諸国をも巻き込んだ大きな混乱の火種になったりする可能性もあります。こうした「負の事象」を発生させないためにも、産油国は減産を履行し、原油相場を高止まりさせていると、言えます。
消費国側では減産実施を、人為的に原油相場を高止まりさせ、不当に産油国の収入を大きくするための策、のように見ている人がいますが、産油国の財政収支、引いては国内情勢が悪化した場合、安定的なエネルギー供給を実現できなくなるリスクがあることも、考慮する必要があります。
足元、中国の景気悪化懸念など下落圧力も同時にかかっていると考えられますが、それでもなお、大きな上昇を演じていることを考えれば、足元、原油相場には複数経路の上昇圧力(米国発の二つの上昇圧力と独自の上昇圧力)がかかっていると考えるのが、自然でしょう。
図:主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格 単位:ドル/バレル
出所:IMFのデータをもとに筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。1,967.50ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年09月限は11,995元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年09月限は607.3元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1044.9ドル(前日比2.35ドル縮小)、円建てで4,689円(前日比2円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(8月3日 大引け時点 6番限)
金 8,924円/g
白金 4,235円/g
ゴム 197.9円/kg
とうもろこし 40,250円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「原油:産油国の自国保護のための上昇圧力も」
前回は、「小麦:ウクライナ危機起因の供給減少懸念も」として、ウクライナ産穀物の主な輸出経路について、述べました。
今回は、「原油:産油国の自国保護のための上昇圧力も」として、主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格について、述べます。
NYダウが13連騰した際、小麦と同様、原油もNYダウの上昇率を上回りました。米国発の「需要増加観測」と「他通貨建て・同商品に対する割安感醸成」という二つの上昇圧力に加え、主要産国の原油の減産が目立ち、原油の需給バランスが引き締まる思惑が強まったことが、上昇率を大きくしたと考えられます。
足元、サウジアラビアやロシア(世界二位・三位の産油国)が、自主減産を継続することを宣言するなど(7月上旬)、世界全体の原油需給が引き締まる観測が生じています。
また、以下は、IMF(国際通貨基金)が公表している、主要産油国における財政収支が均衡するために必要な原油価格です。サウジアラビアは80ドルを超えていないと、財政収支が均衡しないことが示されています。
財政収支は簡単に言えば、国内のお財布の事情です。国内のお財布の事情が悪化(赤字が拡大)すれば、国内情勢が不安定化する可能性が高まります。国内情勢が不安定化すれば、その国の原油生産量が減少する懸念が生じます。
また、中東産油国における国内情勢の不安定化は、複数の隣接する国に不安が波及したり、米国や欧州はもちろん、消費国であるアジア諸国をも巻き込んだ大きな混乱の火種になったりする可能性もあります。こうした「負の事象」を発生させないためにも、産油国は減産を履行し、原油相場を高止まりさせていると、言えます。
消費国側では減産実施を、人為的に原油相場を高止まりさせ、不当に産油国の収入を大きくするための策、のように見ている人がいますが、産油国の財政収支、引いては国内情勢が悪化した場合、安定的なエネルギー供給を実現できなくなるリスクがあることも、考慮する必要があります。
足元、中国の景気悪化懸念など下落圧力も同時にかかっていると考えられますが、それでもなお、大きな上昇を演じていることを考えれば、足元、原油相場には複数経路の上昇圧力(米国発の二つの上昇圧力と独自の上昇圧力)がかかっていると考えるのが、自然でしょう。
図:主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格 単位:ドル/バレル
出所:IMFのデータをもとに筆者作成