[Vol.1605] 個人投資家の声「今は高い」

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。76.50ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,944.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は14,315元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年12月限は594.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1094.45ドル(前日比2.75ドル拡大)、円建てで5,347円(前日比12円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月13日 16時30分時点 6番限)
9,456円/g
白金 4,109円/g
ゴム 268.6円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「個人投資家の声『今は高い』」
前回は、「戦争短期終結がショック回避に効くが…」として、国連安全保障理事会決議結果(2023年10月)を確認しました。

今回は、「個人投資家の声『今は高い』」として、当社が実施している投資家アンケートの結果(一部)を確認します。

先月末に実施した投資家アンケート「楽天DI」で、金(ゴールド)に関する質問をしました。楽天DIは毎月数千名の当社のお客様から回答が寄せられる、国内屈指の投資家アンケートです。日経平均株価やドル円など主要銘柄の目先の方向性を尋ねたり、月替わりの質問「今月の質問」にお答えいただいたりします。

先月末に行ったアンケートの「今月の質問」は金(ゴールド)に関する質問でした。その中で「金(ゴールド)に関わるエピソードを一つ、教えてください」という質問をしました。

この質問の回答全てに目を通しましたが、現在の金(ゴールド)価格の水準を「高い」と感じておられることがうかがえる回答が多数ありました。以下はほんの一例にすぎません。

質問は「エピソード(=ちょっとした話題)」を尋ねるものであり、現在の価格水準をどう感じているかを尋ねるものではありませんでした。実際のところ、相続の際に金(ゴールド)の延べ棒が見つかった、ふとしたことがきっかけで数十年前に純金積立を始めたが、あの時はじめてよかった、金(ゴールド)と言えば仏具というイメージがある、入れ歯として使っていた、といった趣旨の身近なエピソードを示す回答も多数ありました。

こうした中で、価格水準に関する回答が多数寄せられ、かつそれらのほぼ全てが現在の価格水準を「高い」と感じている内容だったことを考えると、当該質問は、投資家の皆さまの現在の関心事を知る上で、ある意味有効に機能したと言えそうです。

投資家の皆様のご認識のとおり、現在の価格水準は国内外ともに、史上最高値水準です。過去半世紀、価格が今の水準よりも高かったことはほとんどありません。この「高さ」が、投資家の皆さまの大きな関心事だと言えます。

図:投資家アンケートの結果(楽天DI10月実施分の回答より抜粋。文体を整えた箇所あり)
図:投資家アンケートの結果(楽天DI10月実施分の回答より抜粋。文体を整えた箇所あり)

出所:楽天DIの資料をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。