[Vol.1650] なぜ災害時にニセ情報が増えるのか?

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。72.94ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,024.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年05月限は13,545元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年03月限は559.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1121.75ドル(前日比0.55ドル縮小)、円建てで5,342円(前日比14円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月22日 16時43分時点 6番限)
9,630円/g
白金 4,288円/g
ゴム 269.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「なぜ災害時にニセ情報が増えるのか?」
前回は、「『今ここ』が重要、安易に過去に頼らない」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)について述べました。

今回は、「なぜ災害時にニセ情報が増えるのか?」として、社会問題として目立つ「災害発生時のニセ情報」について述べます。

能登半島地震発生後、「ニセ情報」の話題を見ない日はほとんどありません。災害発生中にあり、不安やいらだち、同情や善意が交錯する中、こうした心情を利用して不正に利益を得ようとする行為が発生しています。これは今回に限ったことではありません。これまでに大規模な災害や事故が発生した時にも見られました。

とある専門家は、災害発生時にニセ情報を使って不正に利益を得る行為は「悲劇の現金化」だと、指摘しています。また、ニセ情報が行き交うことで、正しい情報や支援が行き渡らずにさらに困難におちいってしまう人が後を絶たないと言います。ニセ情報はなぜ、広がってしまうのでしょうか。

災害時に発生しやすい不安やいらだち、同情、善意などの心情は、多くの人のあいだで「共感されやすい」性質があります。SNSが共感に拍車をかけ、こうした心情を伴った情報は急速に拡散します。この拡散の際に、ニセ情報が紛れ込んでしまいます。熊本地震の際は、「動物園からライオンが放たれた」という強い不安をかきたてるニセ情報が広がりました。

今回の能登半島地震においても、実在しない地域を記載して助けを求めたり、助けを求めつつ不正に寄付を募ったりする投稿が相次いでいます。そしてそうした情報に不安やいらだち、同情や善意を感じ、ニセ情報だと知らずに拡散してしまうケースが多いと言います。

図:社会問題として目立つ「災害発生時のニセ情報」
図:社会問題として目立つ「災害発生時のニセ情報」

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。