原油反発。米主要株価指数の反発などで。77.57ドル/バレル近辺で推移。
金反落。米10年債利回りの反発などで。2,361.30ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年09月限は14,865元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年07月限は602.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1325.6ドル(前日比17.60ドル縮小)、円建てで6,733円(前日比44円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月23日 17時13分時点 6番限)
金 11,908円/g
白金 5,175円/g
ゴム 328.3円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「価格を下げさせない産油国の事情」
前回は、「OPECプラスは世界の半分を生産」として、OPECプラスの原油生産量について述べました。
今回は、「価格を下げさせない産油国の事情」として、主要原油輸出国の財政収支が均衡するときの原油価格について述べます。
産油国は原油価格がいくらであれば満足するのでしょうか。以下は、IMF(国際通貨基金)は集計・公表する、財政収支均衡のために必要な原油価格です。OPECプラスの一員として減産を実施している主要国について、言及されています。
OPECプラス内のOPEC側のリーダー格であるサウジアラビアは「93.3ドル」です。そして、サウジアラビア、アルジェリア、クウェート、イラク、アゼルバイジャンの平均が「85.0ドル」です。
100ドルを超えたり、50ドル近辺でも財政が均衡したりする、やや極端なケースを除けば、85ドルが多くの産油国が納得する価格といえそうです。つまり足元の価格水準で初めて、財政(国内のお金の事情)が均衡するのです。
足元よりも安くなってしまうと、財政が悪化する懸念が強まり、減産を強化するなどして、原油相場を下支えする行動に出ると考えられます。近年、原油相場が高い水準のレンジで推移してきたのは、こうした産油国の事情が最も大きく影響していると、筆者はみています。
また、産油国は目先の財政を均衡させるためだけでなく、長期視点で不安を抱えています。西側の主要国が打ち出し、2010年ごろから世界的な潮流となった環境配慮を推進する動き「脱炭素」をきっかけとして、世界的に原油需要が減少してしまうのではないか、という不安です。
石油開発を積極的に行っている企業は環境への配慮がなされていないため投資を控えるようにしよう、プラスチック製品の消費量は減らした方が環境にやさしいのでビニール袋は有料にしよう、など西側諸国で直接・間接、程度の大小問わず、石油を否定する動きが目立ち始めました。
産油国は西側のこうした動きを目の当たりにし、何を思ったでしょうか。(西側の)ぜいたくを実現するためにずっと協力してきたのに…西側が買わないのであれば、買ってくれる非西側に売ろう…不要であれば価格をいくら高くしても文句は言われないだろう…同じ境遇の産油国同士、結束を強めよう…などと考えていても、何らおかしくはありません。
収入は単価×数量で計算します。脱炭素が進み、石油の需要が急減する(数量が急減する)のであれば、単価を急上昇させる必要が出てきます。ここにも、産油国が減産を継続する動機があります。足元の財政均衡を実現しつつ、脱炭素時代の収益を考慮し、原油価格を長期視点で高止まりさせなければならないのです。
図:主要原油輸出国の財政収支が均衡するときの原油価格 単位:ドル/バレル
出所:IMF(国際通貨基金)のデータを基に筆者作成
金反落。米10年債利回りの反発などで。2,361.30ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年09月限は14,865元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年07月限は602.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1325.6ドル(前日比17.60ドル縮小)、円建てで6,733円(前日比44円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月23日 17時13分時点 6番限)
金 11,908円/g
白金 5,175円/g
ゴム 328.3円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「価格を下げさせない産油国の事情」
前回は、「OPECプラスは世界の半分を生産」として、OPECプラスの原油生産量について述べました。
今回は、「価格を下げさせない産油国の事情」として、主要原油輸出国の財政収支が均衡するときの原油価格について述べます。
産油国は原油価格がいくらであれば満足するのでしょうか。以下は、IMF(国際通貨基金)は集計・公表する、財政収支均衡のために必要な原油価格です。OPECプラスの一員として減産を実施している主要国について、言及されています。
OPECプラス内のOPEC側のリーダー格であるサウジアラビアは「93.3ドル」です。そして、サウジアラビア、アルジェリア、クウェート、イラク、アゼルバイジャンの平均が「85.0ドル」です。
100ドルを超えたり、50ドル近辺でも財政が均衡したりする、やや極端なケースを除けば、85ドルが多くの産油国が納得する価格といえそうです。つまり足元の価格水準で初めて、財政(国内のお金の事情)が均衡するのです。
足元よりも安くなってしまうと、財政が悪化する懸念が強まり、減産を強化するなどして、原油相場を下支えする行動に出ると考えられます。近年、原油相場が高い水準のレンジで推移してきたのは、こうした産油国の事情が最も大きく影響していると、筆者はみています。
また、産油国は目先の財政を均衡させるためだけでなく、長期視点で不安を抱えています。西側の主要国が打ち出し、2010年ごろから世界的な潮流となった環境配慮を推進する動き「脱炭素」をきっかけとして、世界的に原油需要が減少してしまうのではないか、という不安です。
石油開発を積極的に行っている企業は環境への配慮がなされていないため投資を控えるようにしよう、プラスチック製品の消費量は減らした方が環境にやさしいのでビニール袋は有料にしよう、など西側諸国で直接・間接、程度の大小問わず、石油を否定する動きが目立ち始めました。
産油国は西側のこうした動きを目の当たりにし、何を思ったでしょうか。(西側の)ぜいたくを実現するためにずっと協力してきたのに…西側が買わないのであれば、買ってくれる非西側に売ろう…不要であれば価格をいくら高くしても文句は言われないだろう…同じ境遇の産油国同士、結束を強めよう…などと考えていても、何らおかしくはありません。
収入は単価×数量で計算します。脱炭素が進み、石油の需要が急減する(数量が急減する)のであれば、単価を急上昇させる必要が出てきます。ここにも、産油国が減産を継続する動機があります。足元の財政均衡を実現しつつ、脱炭素時代の収益を考慮し、原油価格を長期視点で高止まりさせなければならないのです。
図:主要原油輸出国の財政収支が均衡するときの原油価格 単位:ドル/バレル
出所:IMF(国際通貨基金)のデータを基に筆者作成