[Vol.2068] 個人投資家の皆さんもSNSのマイナス面実感

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。61.90ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米国の利下げ観測などで。3,969.12ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年01月限は15,030元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。25年11月限は479.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2322.82ドル(前日比56.02ドル拡大)、円建てで11,831円(前日比68円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月6日 17時41分時点 6番限)
19,219円/g
白金 7,388円/g
ゴム 303.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「個人投資家の皆さんもSNSのマイナス面実感」
前回は、「4,000ドルにも5,000ドルにもなり得る」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマ(2025年)を、確認しました。

今回は、「個人投資家の皆さんもSNSのマイナス面実感」として、2010年ごろに変化が生じた世界情勢の急変を示す四つのデータを、確認します。

10月4日、与党の主軸を担う自民党の総裁選が行われ、決選投票の末、高市早苗氏が同党総裁、総理大臣候補になりました。高市氏は就任会見で、物価高対策を重視することを改めて強調しました。「責任ある積極財政」による目先の物価高対策も重要ですが、それと同じくらい、長期視点の物価高対策も重要です。

今年7月から10月にかけて、筆者は会場型セミナーで登壇する機会に恵まれました。東京(六本木、新宿、大手町)と大阪で、たくさんの個人投資家の皆さんの前で講演をしたり、ブースで直接お話しをしたりしました。

ブースでは、高騰が続く金(ゴールド)価格は今後どうなりそうか、金(ゴールド)をポートフォリオに組み込む際のアイディアとしてどのようなものが挙げられるか、プラチナや銀などの他の貴金属の価格動向はどうなりそうかなど、多岐にわたるご質問をいただきました。

お一人お一人が、大変に熱心に資産形成に取り組んでおられること、金(ゴールド)やその他のコモディティ(国際商品)価格の動向に強い関心を寄せられていることが、伝わってきて、心が熱くなりました。

講演後にブースに来ていただいた方から多く寄せられた、共通の感想があります。筆者が講演で扱った「SNSが社会に与えているマイナスの影響」についてです。東京、大阪、ともにこの件について、同感です、共感しました、という感想を複数、お話しいただきました。

一連の講演の前に、実は、筆者の頭の中である「賭け」をしていました。金(ゴールド)の価格上昇を説明したり、今後を展望したりする際、金(ゴールド)のオーソドックスな需給の話を扱うか、思い切ってSNSの拡大を起点とした世界分断のシナリオを扱うか、という選択をし、後者に賭けたのでした。

現場の個人投資家の皆さまの反応を見る限り、賭けはあたったと感じています。講演では、SNS・インターネット・AIが普及したことで目立ち始めた問題点(一例)を、筆者の身の回りの実例を用いながら説明しました。

そして、以下の「2010年ごろに変化が生じた世界情勢の急変を示す四つのデータ」を用い、SNSなどの新技術が拡大し始めたタイミングが「2010年ごろ」だったことや、SNSとの関連について議論がなされている、ネガティブ思考の拡大と子供たちの学力低下がはじまったタイミングもまた、2010年ごとだったことを説明しました。

「SNSが社会に与えているマイナスの影響」については、個人投資家の皆さまだけではなく、筆者が会話をさせていただいた限りですが、複数の金融関連の専門家やメディアの方々も、ほとんどの方が否定せず、半分以上の方が肯定されていると、感じています。

当然のことながら、SNSは人類になくてはならない、大変に便利で素晴らしいツールです。このことは、筆者がお話をさせていただいたみんなが、認識していることだと思います。ただ、そこに一部、マイナス面が存在しているのです。

図:2010年ごろに変化が生じた世界情勢の急変を示す四つのデータ
図:2010年ごろに変化が生じた世界情勢の急変を示す四つのデータ
出所:各種情報源より筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。