[Vol.944] “現在凝視”こそ、正しい純金積立の作法

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。62.55ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,745.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は16,070元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年04月限は409.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで532.8ドル(前日比10.7ドル縮小)、円建てで1,843円(前日比11円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月1日 18時58分頃 先限)
6,003円/g 白金 4,160円/g
ゴム 268.9円/kg とうもろこし 29,400円/t

●NY金先物(期近) 日足 (単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「“現在凝視”こそ、正しい純金積立の作法」

前回は、「スーパーサイクル発生の条件とは」として、以前の「多くのコモディティ銘柄が記録的な水準に」に関連し、コモディティ全般の長期的な価格上昇(スーパーサイクル)発生の可能性について書きました。

今回は、「“現在凝視”こそ、正しい純金積立の作法」として、筆者が考える、純金積立を実施する上での、留意事項を書きます。

純金積立のように、時に数十年にもおよぶ長い期間を前提に行う投資の場合は特に、過去の常識から離れることが求められると筆者は考えています。

長期間、金相場と対峙するわけですので、価格が思惑通りに動くことも、そうでないことも、当然のように起き、そして当然のようにその損益が自分に降りかかってくるためです。

過去の常識に縛られ、今を正しく解釈できなければ、価格が思惑通りに動いていないときは過度に不安になったり、思惑通りに動いているときは過度に自信満々になったりしてしまうかもしれません。

“感情の浮き沈み”といういわば“敵”と戦い続けることが求められる純金積立のような長期投資こそ、「いま、ここ」を正しく解釈し続けることが重要です。

そしてそれには、アドラー心理学で重要視されている、(常識や成功体験などの)過去から自分を切り離すことが必須スキルと言えます。

以下のグラフの通り、近年の金相場を取り巻く環境は、激変中と言っても過言ではありません。特に2003年頃から、価格の水準が切り上がり始めましたが、単に一つの材料でこのようなことが起きているとは考えられません。

それまでの古い材料と、その時代ならではの新しく材料が、交錯していると考えられます。このため現代の金相場では、先月後半に発生したような“株安・金安”も、その逆の“株高・金高”も、ままに起き得ます。

金相場の動向を、単に株との関係やドルとの関係などという過去の常識だけで説明できる時代は、すでに終わっていると言っても過言ではありません。

では、どうすれば金相場の「いま、ここ」を正しく解釈できるようになるのでしょうか。そのポイントは何なのでしょうか。次回以降、筆者が考える、金相場と向き合うために有用な、6つのテーマを紹介します。

図:NY金先物(期近 月足) 単位:ドル/バレル


出所:ブルームバーグより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。