[Vol.1003] 金年内2,000ドル、考慮するべきテーマは3つ

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。65.64ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,896.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年09月限は13,665元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年07月限は421.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで703.95ドル(前日比2.95ドル拡大)、円建てで2,474円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月27日 19時3分頃 先限)
6,662円/g 白金 4,188円/g
ゴム 255.1円/kg とうもろこし 32,740円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金年内2,000ドル、考慮するべきテーマは3つ」

前回は、「金相場年内2,000ドル回復は単なる妄想なのか?」として、年内の金相場の動向の全体像を考えました。

今回は、「金年内2,000ドル、考慮するべきテーマは3つ」として、年内の金相場の動向を考える上で重要とみられる、3つのテーマについて述べます。

以下のグラフは、以前の「6つのテーマと金相場の“新常識”」で述べた、重要6テーマの、金相場への時間的な影響をイメージ化したものです。

金相場年内2,000ドルというシナリオは、時間的には「年内」を想定しています。このため、数年、時には数十年に及ぶことがある長期的なテーマは、今回の考察では重視しないこととします。

長期的なテーマとは「中国・インドの宝飾需要」「中央銀行の金保有」「鉱山会社」です。

短・中期的なテーマは、「有事のムード」「代替資産」「代替通貨」の3つです。「年内2,000ドル」が現実のものとなるかは、この3つのテーマ視点から今後の金相場を考察する必要があります。

その上で、次回以降、前回述べた「コロナ等の不安継続・拡大」「米金融政策継続 ドル安・金利低下」「暗号資産が調整色を強める」「強いショックが発生しない」という、4つの材料がどう展開しそうかを、考えます。

図:金相場における重要6テーマの時間的な影響(イメージ)


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。