原油反発。米主要株価指数の反発などで。71.62ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ビットコインの反発などで。1,858.40ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)、龍船節のため休場。
上海原油(上海国際能源取引中心)、龍船節のため休場。
金・プラチナの価格差、ドル建てで710.95ドル(前日比17.55ドル縮小)、円建てで2,499円(前日比28円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月14日 18時8分頃 先限)
金 6,546円/g 白金 4,047円/g
ゴム 238.4円/kg とうもろこし 35,050円/t
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「水素社会」でプラチナが活躍する可能性あり」
前回は、「足元のプラチナ市場の解釈には、材料の足し引きが必要」として、前回述べた「フォルクスワーゲン問題」と同様の連想が働く中にあっても、プラチナ価格が上昇しいている理由について書きました。
今回は、「「水素社会」でプラチナが活躍する可能性あり」として、長期的視点で見た「脱炭素」とプラチナの関係について述べます。
長期的視点で、「脱炭素」とプラチナの関係を考えると、実は「脱炭素」はプラチナ相場の上昇要因になり得ることが見えてきます。日本や欧州の主要国が「水素社会」を構築する際、プラチナが貢献する可能性があるためです。
水素は無色透明ですが、便宜上、生成過程を区別するために色分けがなされています。天然ガスなどの化石燃料から熱分解などで水素を抽出し、その抽出過程で発生した温室効果ガスを大気中に放出した場合、その水素は「グレー水素」と呼ばれます。同過程で発生した温室効果ガスを回収した場合、その水素は「ブルー水素」と呼ばれます。
一方、水の電気分解で生成し、かつその電気が再生可能エネルギーによって得られたものである場合、その水素は、生成過程で温室効果ガスを発生させていない「グリーン水素」と呼ばれます。理想の「水素社会」では、「グリーン水素」の生成・使用が望ましいでしょう。
水を電気分解して水素を生成する装置や、電気分解の逆の原理を使った発電装置(例えば、FCV=燃料電池車の動力源)の電極部分に、プラチナが使われるケースがあります。これらの装置は、「グリーン水素」を生成したり使用したりするために必要な装置と言えます。理想的な「水素社会」を築くために、プラチナが一役買う可能性があるわけです。
「水素社会」が実現するかどうかは、国や地域の政策に依存しやすいため、とん挫した場合はほとんど進まなくなる可能性はありますが、逆に進んだ場合は、「国のお墨付き」が得られたこととなり、比較的短期間で社会が大きく変化し、その流れでプラチナの新しい需要が増大する可能性があります。
条件次第ですが、目先数カ月間のうちに、NYプラチナ先物は1,500ドルを、大阪プラチナ先物は5,000円を回復する可能性があると、筆者は考えています。今年2月に書いた「プラチナ、1,450ドルも射程に入るか!?」で述べた上値目標を上方修正します。
「脱炭素」をきっかけとした、排ガス浄化装置の需要が減少するという連想による下落圧力を相殺して余りある、「金融緩和」「株高」「金高」によってもたらされる短期的な上昇圧力が継続し、理想の「水素社会」に求められる「グリーン水素」の生成・使用にプラチナが一役買う可能性がある点に強い関心が集まれば、上記の価格帯に達する可能性は上がると考えます。
わかりやすい、理解しやすい、聞いたことがある、有名人が言っていた、自分の考えと一緒だ、などという理由で、見たい材料だけに注目してはいけません。プラチナ市場は単体で存在していません。米国の金融政策、株価、金価格、そして、脱炭素、水素など、金融や市場だけでなく、社会や環境などの規模の大きいテーマと関わりながら、存在しています。
「材料の俯瞰(ふかん)」そして「材料の足し引き」が重要であることは言うまでもありません。プラチナに限らず、あらゆる市場を分析する際、今後ますますこの2つのスキルが重要になると筆者は考えています。
図:水素とプラチナの関係
出所:筆者作成
金反落。ビットコインの反発などで。1,858.40ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)、龍船節のため休場。
上海原油(上海国際能源取引中心)、龍船節のため休場。
金・プラチナの価格差、ドル建てで710.95ドル(前日比17.55ドル縮小)、円建てで2,499円(前日比28円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月14日 18時8分頃 先限)
金 6,546円/g 白金 4,047円/g
ゴム 238.4円/kg とうもろこし 35,050円/t
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「水素社会」でプラチナが活躍する可能性あり」
前回は、「足元のプラチナ市場の解釈には、材料の足し引きが必要」として、前回述べた「フォルクスワーゲン問題」と同様の連想が働く中にあっても、プラチナ価格が上昇しいている理由について書きました。
今回は、「「水素社会」でプラチナが活躍する可能性あり」として、長期的視点で見た「脱炭素」とプラチナの関係について述べます。
長期的視点で、「脱炭素」とプラチナの関係を考えると、実は「脱炭素」はプラチナ相場の上昇要因になり得ることが見えてきます。日本や欧州の主要国が「水素社会」を構築する際、プラチナが貢献する可能性があるためです。
水素は無色透明ですが、便宜上、生成過程を区別するために色分けがなされています。天然ガスなどの化石燃料から熱分解などで水素を抽出し、その抽出過程で発生した温室効果ガスを大気中に放出した場合、その水素は「グレー水素」と呼ばれます。同過程で発生した温室効果ガスを回収した場合、その水素は「ブルー水素」と呼ばれます。
一方、水の電気分解で生成し、かつその電気が再生可能エネルギーによって得られたものである場合、その水素は、生成過程で温室効果ガスを発生させていない「グリーン水素」と呼ばれます。理想の「水素社会」では、「グリーン水素」の生成・使用が望ましいでしょう。
水を電気分解して水素を生成する装置や、電気分解の逆の原理を使った発電装置(例えば、FCV=燃料電池車の動力源)の電極部分に、プラチナが使われるケースがあります。これらの装置は、「グリーン水素」を生成したり使用したりするために必要な装置と言えます。理想的な「水素社会」を築くために、プラチナが一役買う可能性があるわけです。
「水素社会」が実現するかどうかは、国や地域の政策に依存しやすいため、とん挫した場合はほとんど進まなくなる可能性はありますが、逆に進んだ場合は、「国のお墨付き」が得られたこととなり、比較的短期間で社会が大きく変化し、その流れでプラチナの新しい需要が増大する可能性があります。
条件次第ですが、目先数カ月間のうちに、NYプラチナ先物は1,500ドルを、大阪プラチナ先物は5,000円を回復する可能性があると、筆者は考えています。今年2月に書いた「プラチナ、1,450ドルも射程に入るか!?」で述べた上値目標を上方修正します。
「脱炭素」をきっかけとした、排ガス浄化装置の需要が減少するという連想による下落圧力を相殺して余りある、「金融緩和」「株高」「金高」によってもたらされる短期的な上昇圧力が継続し、理想の「水素社会」に求められる「グリーン水素」の生成・使用にプラチナが一役買う可能性がある点に強い関心が集まれば、上記の価格帯に達する可能性は上がると考えます。
わかりやすい、理解しやすい、聞いたことがある、有名人が言っていた、自分の考えと一緒だ、などという理由で、見たい材料だけに注目してはいけません。プラチナ市場は単体で存在していません。米国の金融政策、株価、金価格、そして、脱炭素、水素など、金融や市場だけでなく、社会や環境などの規模の大きいテーマと関わりながら、存在しています。
「材料の俯瞰(ふかん)」そして「材料の足し引き」が重要であることは言うまでもありません。プラチナに限らず、あらゆる市場を分析する際、今後ますますこの2つのスキルが重要になると筆者は考えています。
図:水素とプラチナの関係
出所:筆者作成