[Vol.1687] 金(ゴールド)は攻めの投資商品に

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。80.62ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。2,173.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は14,790元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年04月限は644.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1230.45ドル(前日比1.35ドル縮小)、円建てで5,917円(前日比6円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月15日 18時2分時点 6番限)
10,363円/g
白金 4,446円/g
ゴム 357.2円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金(ゴールド)は攻めの投資商品に」
前回は、「世界大分断で金(ゴールド)長期上昇へ」として、MSCIオールカントリーワールドインデックスと金(ゴールド)の価格推移について述べました。

今回は、「金(ゴールド)は攻めの投資商品に」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)について述べます。

前回述べた通り、近年の金(ゴールド)相場と株価の関係は、以前ほど密接ではないと言えます。近年の金(ゴールド)と株の相関係数が0.7を超えていることを考えれば、金(ゴールド)と株は同時に上下、つまり利益の増減が同時進行する傾向があるためです。

このため、株価の大幅下落という、「[Vol.1683] その長期運用、ゆれへの備えはあるか!?」で述べた「縦揺れ」を回避することを目的に金(ゴールド)を保有するという手段は、なじまなくなってきていると考えられます。

ですが筆者は、金(ゴールド)は、今後の資産形成・運用に重要な役割を果たす可能性があると考えています。「金(ゴールド)は攻めの投資商品」であると、発想を転換します。先述の通り、世界は分断状態にあります。

この点は「[Vol.1681] 中央銀行は分断に金(ゴールド)で対応」で述べた通り、2010年から続く、中央銀行の長期視点の大規模な買いを継続させる可能性があります。今後、長期視点では株の動向が今後どのように推移しても、金(ゴールド)は金(ゴールド)で動くと筆者はみています。

こうした発想の転換が、結果的に株価の大幅下落という「縦揺れ」対策につながると、考えます。

図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)
図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。