第2次大戦後、国際通貨制度として構築されたブレトンウッズ体制は、固定相場制を軸としてものでした。すなわち、主要国通貨と米ドルとの間の為替相場は固定相場とされ、上下各0.75%までのレンジの中で変動することとされました。また、主要国は外貨準備として保有している米ドルを1オンス35ドルの固定相場で金と交換することを米国当局に要求できる権利を持ちました。こうした米ドル基軸体制下にあって、国際貿易が拡大するためには、それだけ貿易決済に用いられる米ドルの供給が増加する必要があります。そして、この米ドルの供給は米国の輸入増加で賄われ、米国の国際収支の赤字が深刻化しました。一方各国では固定相場維持のための米ドル買い介入から外貨準備に米ドルが累積することとなり、米国に対して金兌換を要求する動きが強まりました。この結果、米国の財務省が保有する金が減少して、ついにはこれ以上、海外諸国からの金兌換要求に応じられない限界にまで至りました。そして、これが1971年8月15日のニクソンショックになって世界の金融市場を震撼させることとなります。
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