金利先物(きんりさきもの)

金利先物の代表商品は、シカゴマーカンタイル取引所が上場しているユーロドル先物です。このユーロドル先物は、世界の先物取引の中でクしいの取引量を誇ります。
ユーロドル先物の原資産であるユーロドルは、米国国外の銀行に預けられている米ドル建て預金をいいます。その起源が欧州の銀行に預けられた米ドル預金であったことから、ユーロドルという名前になっていますが、米国以外のたとえばアジア件の銀行にある米ドル預金もユーロドルの範疇に入ります。こうしたユーロドルは、米国内にあるドルと違って、さまざまな規制を受けない性格を持っており、国際金融市場で活発に取引されています。なお、発行国以外で預金されている通貨を総称してユーロカレンシーといい、ユーロカレンシーが取引されているマーケットをユーロカレンシー市場といいます。ユーロカレンシーには、日本の国外にある銀行に預金されている日本円であるユーロ円やユーロ圏以外にある銀行に預金されているユーロユーロがあります。
シカゴマーカンタイル取引所上場のユーロドル先物は額面1百万ドル、期間3ヶ月のユーロドル定期預金の金利指標(100-金利水準)で相場を表示しています。たとえば、金利(年利)が1%であれば、99.00となります。
ユーロドル先物において、金利そのものではなく、「100-金利水準」として相場を表示する理由は、これによって、債券先物の売り買いの方向と金利先物の売り買いの方向を同一にするためです。すなわち、金利が上がれば債券価格は下がる、この逆も然りというように金利と債券価格は逆相関の関係にあります。これを簡単な例でみると、いま、年利1%の利付債券が額面どおりの100円で発行されたとします。なお、このような額面発行をパー発行といいます。そして、発行時点の市中金利は1%であったものが、その後景気の回復で1.5%に上昇したとします。投資家にとってはいまや1%のクーポンは、市中金利に比べて低くなります。したがって、年利1%の利付債券を100円で買う投資家は減少して、債券価格は100円よりも値下がりすることになります。これが、金利が上昇すると、債券価格が下がる理由です。